
アイキャッチ画像出典:釣具のポイント
釣りをしていて、予想以上にエサ取りが多くて用意してきたエサが早めになくなったり、ちょっとした不注意でエサを海に落としてしまったり、不意の強風でエサを飛ばされてしまったりという経験をされたことがあるのではないでしょうか?
まだまだ時間はあるし、魚も釣れそうな雰囲気はある。
急いでもう一度エサを買いに行くのもいいですが、現地でエサを調達して釣りを続ける方法はないものか?
今回は現地で調達出来る7種類のエサについて解説していきます。
いざという時の参考にしてください。
釣り場で現地調達出来るエサ
釣りに行く時は基本的には釣行前にエサ屋さんに寄って、当日の釣りに適したエサを購入していきます。
ほとんどはそれで事足りるのですが、いざという時に現地でエサを調達出来るスキルがあれば、あなたの釣りの世界は今まで以上に広がります。
⑴イガイ
出典:釣具のポイント
イガイは北海道以南の岩礁帯や防波堤の壁面、テトラポッドなどの潮間帯に生息する二枚貝です。
主に夏場に生息し、潮がある程度引くと水面に姿を表します。
イガイの採取方法
手が届く範囲であれば、軍手をしてむしり取ることも出来ますが、足を滑らせて落水したり手をケガしたりする可能性もあるのでおすすめできません。
イガイ取り用の専用の器具があるので利用しましょう。
安全に効率よく取れます。
専用器具を使っての取り方は、イガイが密集して生息している場所を見つけたら、イガイ取り器具でガリガリとこそげ取るだけです。その際は必要以上には取らないようにしましょう。
おすすめのイガイ取り器はこちら。
イガイ取りと魚を掬う用と兼用で使える玉の柄はこちらがおすすめ。
イガイの使い方
イガイはチヌの落とし込み釣りには定番のエサです。
貝殻の隙間に釣り針を差し込んで使います。
他には粒の小さい幼貝の場合は繊維で塊になっている物を繊維に釣り針を絡めて、幼貝ダンゴの状態で使うのも有効です。
イガイで釣れる魚
イガイの落とし込み釣りではチヌが代表的なターゲットになりますが、他にカンダイ(コブダイ)やイシダイなどもイガイで釣れることがあります。
⑵マツバガイ(ジンガサ)
出典:市場魚貝類図鑑
マツバガイは東北以南の温暖な岩礁帯に生息する笠型の貝殻を持つカサガイの一種。
主に岩場やテトラポッドなどの潮間帯に生息しています。
岩場に張り付いて上から見ると笠を被せたように見えるので、ジンガサと呼ぶ地方もあります。
マツバガイの採取方法
取り方はマイナスドライバーを岩と貝の隙間に差し込み、テコの原理で岩から剥がします。
マツバガイの使い方
貝殻から身を外して、一粒を針に付けるか小針の時はナイフで身をカットして使います。
また、磯釣りなどでイシダイなどの大物を狙う時はウニ通しを使って3粒くらいを殻ごと数珠がけにします。
ウニ通しはこちらがおすすめ。
マツバガイで釣れる魚
波止からはベラ、カワハギ、チヌ、カサゴ、チャリコ(マダイの幼魚)などの根に付く魚はほとんど釣れます。
また潮通しの良い磯からではイシダイ、イシガキダイ、ブダイ(イガミ)、カンダイなどの大型魚も狙えます。
⑶岩ガニ
出典:釣具のポイント
岩ガニはイワガニ科に分類される小型のカニです。
北海道以南から九州の岩礁帯や防波堤など日本各地で見ることが出来ます。
岩の隙間やテトラポッドの隙間など、凸凹が多く身を隠す場所が沢山ある所に多く生息しています。
岩ガニの捕まえ方
捕まえ方はゴロタ石の海岸などでは石をひっくり返して、石の下に隠れていた岩ガニを手で捕まえます。
その時、ヤドカリなども見つけられる可能性があるので、見つけた時はついでに捕まえ置くといいでしょう。
他にペットボトルを加工した罠を仕掛ける方法もあります。
1.5Lか2Lのペットボトルの胴から飲み口にかけて細くなっている部分の少し胴側をカッターで上下に切り分けます。
切り分けたペットボトルの飲み口部分を逆さまにじょうごのように重ねると出来上がりです。
飲み口が少し小さい場合はカニが入るくらいの大きさになるように飲み口をカットしましょう。
ペットボトルの中に魚のアラやオキアミの残りなどを入れておけばイワガニが入ってきます。
この罠にはイワガニ以外にフナムシなども入りますが、フナムシもエサになりますのでキープしましょう。
岩ガニの使い方
岩ガニは腹側のフンドシの部分に針を刺し、背中の甲羅に当たるところで止めます。
もう一つは横の1番下の足の付け根から針先を入れ、3本目の足の付け根くらいから針先を少し出します。
岩ガニで釣れる魚
岩ガニで釣れる魚は硬いカニの甲羅を噛み砕ける歯と顎が強い魚がメインターゲットになります。
チヌ(クロダイ)、イシダイ、イシガキダイ、ブダイ(イガミ)、カンダイ、マダイ、ハタ類などです。
⑷ヤドカリ
ヤドカリは十脚目ヤドカリ上科に属する甲殻類で、エビやカニの仲間になります。
巻き貝の貝殻を背負って宿にする姿は愛嬌があり、ペットとして飼育されることも多いようです。
ヤドカリは本州から沖縄の浅い岩礁帯に広く分布し、約200種類が日本国内で生息すると考えられています。
干潮時の地磯やゴロタ石の海岸などで比較的簡単に見つけることが出来ます。
ヤドカリの捕まえ方
捕まえ方は岩の隙間やタイドプールの中、ゴロタ石の下などに隠れていることが多いので、手で捕まえます。
カニなどに比べると逃げるスピードはさほど早くないので簡単です。
その際、イワガニや巻き貝なども見つけられると思います。
それらも釣りのエサになりますので、一緒にキープしておけば良いでしょう。
ヤドカリの使い方
ヤドカリは殻を石やハンマーなどで割って中身を取り出します。
爪を取ってヤドカリの眉間から尻尾に向けて通し刺しにします。
ヤドカリで釣れる魚
ヤドカリでは岩場に生息する魚はほとんど釣る事が出来ます。
小型魚ではベラ、カサゴ(ガシラ)、カワハギアコウ(キジハタ)など。
大型魚ではチヌ(クロダイ)、イシダイ、イシガキダイ、マダイ、ブダイ(イガミ)など。
⑸フナムシ
出典:釣具のポイント
フナムシは甲殻類、ワラジムシ目、フナムシ科に属する節足動物です。
一見ゴキブリのような外見ですが、エビやカニの仲間ということになります。
数少ない陸上生活に適応する甲殻類の一種で、日本国内の温暖な地域の海岸線に広く分布しています。
フナムシの捕まえ方
岩礁帯や防波堤の壁面、テトラポッドの陰などで多く見かけますが、動きが素早く手で捕まえるのは非常に効率が悪くなるので、罠を仕掛けるか、玉網に袋を取り付けた道具で捕獲します。
罠を仕掛ける方法は⑶の岩ガニの捕獲に使用したペットボトルを加工した罠と同じ物を使用します。
中に入れるエサも同じ魚のアラやオキアミの残りなどで構いません。
フナムシの場合はペットボトルの内側にサラダ油などを薄く塗っておいて、罠に落ちたフナムシが滑って逃げられないようにしておくと良いでしょう。
もう一つの玉網を利用した道具で捕獲する方法です。
玉網の枠より少し大きめの口の布袋(無ければビニール袋でも可)を用意します。
網の中に布袋を入れ、袋の口の端を玉枠に被せて折り返し5cm〜7cmおきくらいをホッチキスで玉枠に固定して完成です。
防波堤の壁面などで群れで密集しているフナムシを見つけたら、布袋がついた玉網でフナムシの集団の下の方から上に向かって、壁沿いを壁から離さないようにガーッと引きづり上げます。
フナムシが入ったら、フナムシが逃げないように袋の中程を手で握って袋の口を塞ぎ、蓋付きポリバケツや、カゴビクなどフナムシをキープしておく入れ物に素早く移します。
フナムシをキープしておくカゴビクはこちらがおすすめ。
フナムシの使い方
フナムシはお尻から針先を入れる通し刺しか、腹側から背中に向けて針を刺すチョン掛けで使用します。
フナムシで釣れる魚
波止からはガシラ(カサゴ)、アコウ(キジハタ)、ベラ、カワハギ、アジ、アイナメなどが狙えます。
磯釣りでは、チヌ(クロダイ)、グレ(メジナ)、アイゴ、イシダイ、イガミ(ブダイ)、コロダイ、カンダイ、マダイなど磯釣りの対象魚はほとんど狙えます。
⑹アオサ
出典:市場魚貝類図鑑
アオサはアオサ目アオサ科に属する緑藻の総称です。
春から夏にかけて浅い岩礁帯に生息します。
アオサの採取方法
採り方は潮の引いた磯場で手でむしり取るだけですが、海藻の生えた岩場は滑りやすいので足元に注意してください。
アオサの使い方
アオサは折りたたんで、重なった部分を針に刺して使います。
アオサで釣れる魚
アオサではグレ(メジナ)、アイゴ、イスズミなどの魚がフカセ釣りで釣ることが出来ます。
⑺ゴカイ類
出典:釣具のポイント
ゴカイは環形動物門に属する多毛類で熱帯から寒帯まで、潮間帯から深海までといたる所に生息し、約8000種類が確認されています。
その中でも釣り場近くで捕獲出来るのはジャリメ(イシゴカイ)が中心になります。
ゴカイ類の捕まえ方
干潮時の干潟や砂浜などではスコップで20cm〜30cm程掘ってみるとゴカイが隠れていることがあります。
また、ゴロタ石混じりの岩場などでは少し大きめの石をひっくり返しでみるとゴカイが隠れている可能性大です。
ゴカイの使い方
あえて説明の必要はないかも知れませんが、通し刺しやチョン掛けなど、ターゲットの魚に合わせた刺し方をします。
ゴカイで釣れる魚
投げ釣り、ウキ釣りなどで狙える魚はほぼ釣れると言っても良いでしょう。
釣った魚をエサにするのも現地調達の醍醐味!
出典:釣具のポイント
⑴泳がせ釣り(生きエサ)
自分で釣った魚をエサにするのも現地調達と言えます。
生きエサは飲ませ釣りや泳がせ釣りと言って、生きたままの小魚を針に刺してそれらをエサにしている肉食魚を狙います。
小アジがエサ持ちが良く、食いも良いのでおすすめです。
小アジが釣れない場合は他の小魚でも可能です。
生きエサとして使う魚はアジバッカンなどに海水を入れて、エアーポンプで空気を送っておくと長持ちします。
生きエサの使い方
背ビレの根元に針を通す背掛けや、鼻の穴に針を通す鼻掛けにして使います。
生きエサで釣れる魚
回遊魚ならブリ、カツオ、ガンパチ、ヒラマサ、サワラ、タチウオなどの青物系やスズキなど。
根に付いてる魚ならクエやハタ類、マダイ、アコウ、ガシラ(カサゴ)、ウツボ、アオリイカなど。
砂底ならヒラメ、マゴチ、エソなどエサが大きいだけに釣れる魚の型も良いのが特徴です。
⑵切り身
切り身は釣った魚の身を使って、生きエサで釣るよりは小型の肉食系の魚を釣ることができます。
どんな魚でも使えますが、やはり生きエサ同様にアジやサバ、イワシなどの切り身が食いが良いです。
切り身の使い方
3枚おろしかブツ切りにして使います。
3枚おろしで骨がない状態で使う時は、身の側から針先を入れ皮を外側にして刺しましょう。
切り身で釣れる魚
中小型の肉食の魚はほとんど釣ることが出来ます。
アジ、サバ、ガシラ(カサゴ)、アコウ(キジハタ)、マダイ、タチウオ、チヌ(クロダイ)、スズキ、アナゴ、カマスなど。
現地で調達するエサは魚の大好物ばかり!
出典:釣具のポイント
エサの現地調達についてご紹介しましたが、貝類や海藻などは場所によっては漁業権の関係で採ってはいけないものもあります。
現地の立て看板などで採取禁止などの表示があればルールに従いましょう。
それでは、Enjoy your fishing life!