
アイキャッチ画像出典:釣具のポイント
出っ張ったオデコに分厚いクチビル、発達したアゴにすきっ歯。
お世辞にもカッコいいとは言えないコブダイ。
以前は磯でのイシダイ釣りの外道として見向きもされなかった魚ですが、最近では堤防からも狙えるモンスター級の魚として注目を集めています。
そのうちコブダイ用の専用タックルが発売されるかも知れませんね!
今回はそんなコブダイについて色々な角度から解説していきます。
コブダイは近場のモンスター
出典:釣具のポイント
⑴コブダイってどんな魚?
コブダイはベラの仲間
コブダイはスズキ目ベラ科コブダイ属の魚で、タイと名が付きますが、ベラの仲間です。
ベラの仲間の中では最も大きくなります。
別名カンダイ(寒鯛)とも呼ばれ冬場の水温が下がる頃に味が良くなると言われています。 最も大きなものは全長1メートル以上、体重も15キロを超えます。
暖海性の魚で太平洋側は関東以南、日本海側では佐渡島以南、東シナ海、南シナ海、朝鮮半島沿岸まで広く分布しています。
コブダイは性転換する?
コブダイは幼魚の時は全てメスで、成長して体長50センチ〜60センチを境にオスに転換すると言われています。
生まれた時はメスで成長するとオスに転換するのは「雌性先熟魚」と言われ、逆に生まれた時はオスで成長とともにメスに転換するのは「雄性先熟魚」と言われています。
こういった性転換する魚は珍しいものではなく、温帯の岩礁帯や熱帯のサンゴ礁に生息する魚を中心に約300種ほどが報告されているようです。
海中で食うか食われるかの弱肉強食の生存競争の中で生き抜いていく魚達の一部が、効率よく繁殖していく為に性転換という形で進化したのではないかと考えられています。
コブダイの食性は?
コブダイは海藻や貝類などが豊富で潮通しの良い岩礁帯に生息しています。
食性は肉食で貝類やカニなどの甲殻類を好んで食べます。
サザエやカキ、カニなどを発達したアゴと歯でバリバリと噛み砕いて食べます。
またノドの奥には咽頭歯があり、口の中である程度噛み砕いた甲羅や貝殻を更に細かく砕いて一緒に食べてしまいます。
そんな強力な歯とアゴを持ったコブダイですから、釣り上げた後に釣り針を外す際は決して口の中に手を入れないようにしましょう。
フィッシュグリップでアゴを挟み、プライヤーなどを使って外すようにしてください。
⑵コブダイのポイントは?
上記でも書いたように海藻が豊富な岩礁帯に主に生息しているので、海底がそういった状況である程度水深があればコブダイを狙える可能性は高いです。
潮通しの良い防波堤や磯などが狙い目です。
コブダイのオスは縄張りを持ち、複数のメスと共に行動すると言われています。
特に過去にコブダイが釣れた実績のある場所は、コロダイが棲みやすい海底の条件があるはずなので、かなり可能性は高くなります。
⑶コブダイが狙える時期は?
コブダイは年中狙える魚です。
春に産卵するので産卵後は魚体の体力が回復するまでは食いが悪い状態になります。
寒鯛と言われることからもわかるように、食べて美味しい時期は冬場になります。
ただ冬場は水温が低いので、コブダイの活性も低く釣りにくい時期です。
夏場が活性も高く、食欲も旺盛なので釣りやすいでしょう。
また針がかりさせてからの引きも水温の高い夏場は特に強力です。
⑷コブダイ釣りで使うエサは?
コブダイは自然界では主に貝類やカニなどを捕食しています。
釣りで使う際も当然同じエサを使うのが自然ですが、釣り場で調達するのは時間もかかるし、そもそも上手く調達できるかも行ってみないと分かりません。
コブダイ狙いでエサ屋さんで購入できるエサとしてはサザエ、ウニ、トコブシ、赤貝、イガイ、カニ、アケミ貝、牡蠣、ヤドカリなどがあります。
時期やお店によっては取り扱っていないエサ屋さんもありますので、事前に確認して予約しておくほうが無難でしょう。
波止からコブダイを狙おう!
⑴波止からの釣り方
波止からはコスリ釣りやズボ釣りで波止際を釣ります。
中国地方ではかぶせ釣りといって短竿で牡蠣をエサに釣る方法がありますが、これもコスリ釣りの一種です。
基本的にはウキは使わず、ハリスにオモリなしか付けても1号くらいまでのは軽いオモリで波止際の底付近まで刺しエサを落として待ちます。
波止釣りでのエサはイガイ、カニ、アケミ貝、牡蠣などを丸貝(殻ごと釣り針に刺す)か、半貝(貝殻を半分残して身の部分に釣り針を刺す)で使用します。
むき身にしても良いですが、エサ取りには弱くなります。
撒き餌として、サシエで使っている貝類をハンマーや石などで荒割りしたものをパラパラと波止際に撒くと良いでしょう。
⑵波止からの仕掛けとタックル
コブダイはイガイやカニをエサにしたチヌの落とし込み釣りで良く外道として掛かります。
3キロ〜4キロくらいまでのコブダイならチヌ釣り用のタックルでも獲れますが、5キロを超えるようなコロダイが食いつくと、チヌ用タックルではほぼ一瞬で切られてしまいます。
波止からコブダイを本気で釣るタックル
①竿は磯竿5m前後の長さで3号〜5号。
②リールはパワーのある両軸リールか3000番クラス以上のスピニングリール。
③道糸はPE2号〜3号、ナイロンなら6号〜8号。
④ハリスはフロロカーボンの8号〜12号
⑤ハリは伊勢尼やグレ針の10号前後
アタリは小さな前アタリの後、一気に竿を持っていくことが多いので、根に持ち込まれないように竿を立てて、最初のひとのしを耐えましょう。
防波堤で大型コブダイの引きにも負けない磯竿はこちらがおすすめ。
|
コブダイとゴリ巻きで対決できる両軸リールはこちらがおすすめ。
|
スピニングリールならこちら。
|
レバーブレーキ付きリールもおすすめです。
|
ハリスは適度な張りがあって強度もあるこちらがおすすめです。
|
コブダイをがっちりフッキングさせる針はこちらがおすすめ。
|
⑶波止でのポイント
波止からのポイントは過去に釣れた実績のある場所が1番です。
分からない場合は波止の先端付近やカーブ付近が次なる狙い目です。
波止際に貝類などがたくさん付いているところなどもポイントになります。
外海に面した大きな漁港などでは、案外内向きでも釣れることがよくあります。
磯からコブダイを狙おう
⑴磯からの釣り方
磯からはイシダイ釣りと同じ釣り方、いわゆる底物釣りで狙います。
磯は波止と違って垂直な護岸ではないので、仕掛けを投げ込んでシモリ際などの底を狙うか、切り立った磯の場合は磯際を狙います。
磯は海底の地形が複雑で、サラシなどの波の影響も受けるので、波止釣りよりも重たいオモリを使い、しっかりと海底に仕掛けが落ち着くようにして釣ります。
コブダイを磯から狙う場合のエサは波止釣りで使ったエサでも構いませんが、それよりもその地域でイシダイ釣り師がイシダイ狙いでよく使っているエサを使うのがおすすめです。
地域や時期によって変わりますが、春〜初夏や晩秋〜冬などの水温が低い時期は、サザエのむき身や赤貝のむき身、ヤドカリやトコブシなど柔らかくて食い込みの良いエサが良いでしょう。
サザエや赤貝のむき身は3個〜4個を数珠掛けにして目立たせるのが良いでしょう。
水温の高い夏場はエサ取りに強いウニがおすすめです。
貝エサの数珠掛けやウニなどを針に刺す時はウニ通しを使いましょう。
⑵磯からの仕掛けとタックル
磯でのコブダイ狙いは波止釣りに比べると根に潜られたり、張り付かれる可能性が高くなります。
また、磯ではコブダイ以外にもイシダイ、イシガキダイ、フエフキダイ(タマミ)、コロダイなど怪力の持ち主がたくさん生息しています。
コブダイ以外の大物が掛かったとしても、力負けしないように、より強力なタックルで魚に主導権を取らせないようにしましょう。
アタリがあればタックルの強さを信じて、一気にアワセてリールをゴリ巻きで根からコブダイを引き離しましょう。
磯からコブダイを狙うタックル
①竿は5m前後のイシダイ用の底物竿
②リールはイシダイ用の両軸リール
③道糸はナイロン18号〜22号
④仕掛けは捨てオモリ式仕掛けが三つ又サルカン仕掛け、オモリは20号〜30号
⑤ハリスはワイヤーの38番前後
⑥ハリはイシダイ針の14号〜18号
コブダイもイシダイも!磯から大物を釣り上げるイシダイ竿はこちら。
|
イシダイ竿とベストマッチングの両軸リールはこちらがおすすめ。
|
全遊動タイプの底物用捨てオモリ仕掛けはこちら。
|
イシダイ用ワイヤーハリス付きのイシダイ針はこちら。
|
⑶磯でのポイント
コブダイはイシダイ釣りの外道としてよく釣り上げられるので、磯では底物釣りのポイントと言われるところは有望です。
沖磯の場合は渡船に乗る時に底物釣りをすると伝えれば、実績のある磯に乗せてもらえるでしょう。
コブダイの味は?おすすめの食べ方は煮付け!
コブダイは流通量が少ないのであまり市場やスーパーに並ぶことはありません。 コブダイを食べられるのは釣り師の特権です。
見た目の割には上品で淡白な白身です。
産卵直後は味が落ちることがありますが、旬を迎える冬場は脂も乗って美味しくなります。
クセのない味なので比較的どんな料理にも合いますが、濃い味付けの煮付けが最高です。
身だけでなく、頭部や背骨なども切り分けて、あら炊きにしても美味しくいただけます。
その他にもお刺身はもちろん、鍋もの、揚げ物、などいろいろな方法があります。
大型の魚なので、1匹釣れるとかなりの量になります。
煮付け以外にも色々試してみてはいかがでしょうか。
モンスターコブダイは釣り人の好敵手!
出典:釣具のポイント
コブダイは磯はだけでなく案外近場の波止釣りでも狙える大型魚です。
また、味のほうも中々のものでいろいろな料理法で楽しめる魚でもあります。
釣ってよし、食べてよしの近場のモンスター、コブダイを狙ってみてはいかがでしょうか?
その時は是非、力負けしない強力なタックルを携えて。
それでは、Enjoy your fishing life !