
磯からのルアーフィッシングゲームでのターゲットとして、高い人気を集めているヒラスズキ。
一般的にシーバスと呼ばれているマルスズキは日本全国の港や河口などで狙うことが出来ますが、ヒラスズキは房総半島以南の地磯から狙うことが出来ます。
ヒラスズキを狙うことの出来る地磯は港や河口などど違い、足場も悪く直接波が当たるので危険も多く、しっかりとした装備をして挑むことが必要になります。
そこで今回は、ヒラスズキを狙うために必要になる安全のための装備の紹介や、ヒラスズキを磯から狙うタックルなど詳しくご紹介していきたいと思います。
磯の王者ヒラスズキ
出典:シマノ
ヒラスズキは磯の王者と呼ばれていたり、荒磯の王者と呼ばれたりすることの多い魚種ですが、なぜそのように呼ばれているのでしょうか。
ヒラスズキが狙える磯は海からの波が岩に直接当たり、砕けた後に出来るサラシの中になりますが、サラシが出来る状況は波が高く流れが激しい時や、風が強く海が荒れている時などになります。
そんな激しい荒波の中で小魚を捕食するヒラスズキは正に磯の王者と言えるでしょう。
しかし、ヒラスズキの活性が高いと言われているサラシが良く出ているような状況というのは、アングラーにとっては釣りをしにくい状況であることは間違いありません。
港や河口などで狙う釣りとは違い、思いもよらないことが起こるのが磯での釣りで、ヒラスズキに限らず磯からの釣りには細心の注意を払わなければなりません。
磯釣りの危険性
ここでは、磯からの釣りで考えられる危険性について、ご紹介していきたいと思います。
高波
磯からの釣りでの怖さの一つに波の高さがあります。
港や河口などでは波がかかるような所まで降りることはなく、そもそも波自体がそこまで高くないことが多いですが、磯では思いがけないほどの高波が来ることがあります。
ヒラスズキをルアーで狙う場合は、足元まで波がかかるところでのキャストが多くなりますが、降りた時には足元までしか上がらなかった波が、いきなりひざ上まで上がってきたり時には腰ぐらいまで上がってくることもあります。
磯で釣りをする時は今波がかかっていなくても、濡れている場所までは波が来る可能性があるので、しっかりと波がかかっているポイントを見極めて釣りをしましょう。
落水
磯での落水は、港や河口などで落水するのと訳が違いかなりの危険があります。
磯で落水してしまうと荒い波にもまれてしまい、浮いていることさえも困難で命の危険性があり、激しい波で磯にたたきつけられたり、沖に出る潮に乗ってしまうと一気に沖に流されてしまいます。
そのため磯で釣りをする時は、落水することを前提とした装備や服装が必要となります。
転倒
磯は非常に足場が悪く、転倒してケガをする可能性が高くなります。
普通の場所では転ぶだけでは大きなケガになることは少ないですが、磯は尖った岩やフジツボなどで切ってしまい、転んだだけで大きなケガにつながってしまいます。
また、海苔がはっているところもあり、非常にすべりやすく危険です。
磯で釣りをする時は、なるべく肌が露出しないような格好や滑りにくいスパイクシューズなどを履いて、釣りをすることをおすすめします。
安全第一の完全装備で挑もう
出典:シマノ
ここでは、磯釣りで安全第一に考えた装備についてご紹介していきたいと思います。
ウェットスーツ
磯場での服装でおすすめなのはウエットスーツです。
ウエットスーツは動きにくいと思うかもしれませんが、落水の可能性がある磯の釣りでは泳ぐことのできる格好が一番適していて、ウェーダーなどを履いていた場合は、落水時に海水が中に入り身動きが取れなくなる可能性があります。
泳ぎやすいからと軽装で肌が露出した格好だと、落水した後に波で磯にたたきつけられて大ケガをしてしまいます。
動き回らなければならない磯では、ウエットスーツを着ていると暑く不快に感じますが、安全を考えるならウエットスーツが一番です。
リアス ウェットスーツ FWS-3300
救命胴衣
どのような釣りでも救命胴衣は必須アイテムですが、磯で使用するための救命胴衣は膨張式ではなく、浮力材入りのフローティングベストが必要になります。
膨張式のライフジャケットでは、落水して膨張した後に磯にあたっただけで破れてしまい、意味がないので必ず浮力材入りのフローティングベストを選ぶようにしましょう。
シマノ XEFO フローティングベスト VF-272N
スパイクシューズ
磯では滑らない靴も必須アイテムで、特にフェルトスパイクがおすすめです。
磯靴の靴底素材には靴底に金属ピンが備わっているタイプと、フェルト材を使用したものと、両方の特性を持ったフェルトスパイクの種類がありますが、磯での使用を考えると金属ピンが備わったスパイクシューズか、フェルトスパイクがおすすめです。
金属ピンタイプのスパイクシューズはゴツゴツした岩場が得意で、フェルトスパイクはある程度のゴツゴツした岩場や、ツルツルした岩や海苔がはった場所でも活躍してくれるので、釣り場に合わせて靴底の素材を選ぶと良いでしょう。
シマノ FS-085P ドライシールド 3Dカットピンフェルトシューズ
グローブ
転倒の際や落水して磯につかまるときなどは、当然最初に手が出ます。
その時にグローブを付けていないと岩やフジツボ、貝殻などで切ってしまいケガをしてしまう可能性があり危険です。
磯で釣りをする時は転倒した時や、落水した後のことを考えてグローブは必ず着用しておきましょう。
シマノ 3D アドバンスグローブ3 GL-021N
タモ
落水の危険性が高いのはランディングの時です。
釣れたヒラスズキをフィッシュキャッチャーなどでキャッチする時は、魚ばかりに気を取られて波は全く見ていないことが多く、この時に高い波が来てしまうと波にのまれてしまいます。
このような危険を回避するためにも、磯の上から魚をすくうことのできるタモは必ず持っていきましょう。
プロマリン CB スティンガー磯玉セット 420
磯場に多い裂傷の応急処置の仕方
磯で多いケガの一つは裂傷(切り傷)です。
ここでは、裂傷を負ってしまった時の応急的な対処方法をご紹介していきたいと思います。
真水で傷口を洗う
磯で傷を負ってしまった時はまず、傷口をキレイな水で洗い流すことです。
海水や岩、そして貝殻などには非常に多くの細菌が常在しており、最初のうちにキレイに洗い流しておくことで、化膿や炎症を抑える効果があります。
キレイに洗えてないと傷口がふさがった後に中の方で化膿してしまったりして、閉じた傷口を開いて治療しなければならなくなる可能性があるので、しっかりと洗い流しましょう。
傷口をきれいなタオルなどで押さえ圧迫止血する
傷口が深いとそれだけ出血の量は多くなりますが、そんな時でも焦らず落ち着いて出血箇所を確認して、傷口をキレイなタオルなどで圧迫して止血しましょう。
どんなに大きな傷でも圧迫止血は、基本の止血方法であり覚えておくと必ず役に立ちます。
磯ヒラ狙いおすすめタックル3選
出典:シマノ
磯からヒラスズキを狙うためのタックルは、ロッドの長さが10f以上で遠投性能に優れ、操作性が良く硬さがMH程度、リールはシマノなら4000番以上、ダイワなら3000番以上、ラインはPEラインの1.5号程度を基準に考えるといいでしょう。
その基準の中から特におすすめなタックルと、おすすめルアーをご紹介したいと思います。
ロッド
シマノ ディアルーナ S100MH
遠投性能に優れたロッドで、30g前後のミノーや青物用のプラグ、50g超のメタルジグにまで適応してくれます。
磯場においてサラシを攻めていくヒラスズキに対応したアイテムです。
シマノ エクスセンス S1110M/RF
磯を攻略するために作られたモデルで、遠投性能や取り回しの良さで磯からのヒラスズキやマルスズキ狙いに最適な、オールラウンダーな一本。
ダイワ シーバスハンターX 100MH
強引なゴリ巻きでも、安心してやり取り出来るコストパフォーマンスが高いロッドです。
糸絡みを自動的に解除するKガイドを搭載しており、リングにオールSiCリングを搭載することで、PEライン使用時も快適なロッドワークが可能です。
リール
シマノ 13バイオマスターSW 4000XG
幅広い層から指示を受けているバイオマスターは、実用ドラグ5.5㎏、糸巻き量がPEラインの1.5号で320mとルアーフィッシングゲームで必要なスペックを備えています。
また、コスト面も2万円台と傷をつけてしまいやすい磯での使用も抵抗は少ないです。
シマノ 17ツインパワー XD 4000XG
最上位モデルのステラの性能を引き継いでいて、パワーロスを極限まで排除した巻き上げ力が魅力の一台。
磯などでは多少強引なやり取りが必要になることがありますが、安心して魚とのファイトを楽しむことが出来ます。
ダイワ 16 セルテート 3012H
耐久性をコンセプトに設計されていて、磯での荒い使い方にも対応してくれます。
また、磯ではリールが波をかぶることもあり、トラブルも多くなりますがマグシールド搭載で塩噛みトラブルも少ないです。
ルアー
アイマ サスケ 120裂波
非常に汎用性に優れたルアーで、シーバスに限らず青物からフラットフィッシュまで、これ一本で狙える万能タイプのルアーで、何を購入していいか迷っている方には、最初に購入して欲しい一本です。
シマノ エクスセンス スライドアサシン 100S X AR-C 23g
アピール力を強くするためのワイドなS字スラロームアクションが魅力の一つで、スイム姿勢もフォール時の姿勢もほぼ水平を狙って調整しており、シーバスからヒラスズキまでオススメなサーチベイトです。
また、AR-C重心移動システムによる安定した飛行性能も魅力です。
シマノ コルトスナイパー ロックジャーク 140S
AR-C重心移動システムで安定した飛行姿勢を確保し、角度の検討を重ねたリップデザインで、レンジをキープすることに優れているため、じっくり誘い出すことが可能です。
磯釣りで無理は禁物
特にルアーでの磯釣りは、あと少し下に降りれればポイントに届くのにと思ったり、もう少し沖の瀬に乗れればいいポイントがあるのにと考えてしまうことが多くなります。
しかし、防波堤などで波が抑えられているような港の中や河口付近などと違い、直接波が当たる磯は考えていなかったような波がくることもあり、少しの油断が命取りです。
磯で釣りをする時は波の高さを確認しながら無理をせず、安全を第一に考えながら釣りを楽しみましょう。