
アイキャッチ画像出典:釣具のポイント
イカダというと無人島などに漂流した時、脱出する為に丸太などを組んで作る即席ボートのイメージが強いですが、釣りをする為のイカダは少し違います。
フロートと言われる浮力材の上に木製の板を組み、その上で釣りが出来るようにしている人工の釣り場のことです。
イカダ釣りは波止や磯からの釣り、船釣りとはまたひと味違った独特の趣きのある釣りです。
今回はそんなイカダ釣りの魅力をご紹介していきます。
イカダ釣りの魅力
出典:釣具のポイント
イカダ釣りでの主なターゲットはチヌです。
チヌを狙う釣り方では落とし込み釣りやウキ釣りが人気ですが、最近はそれらにも引けを取らないくらいイカダからのチヌ釣りの人気が高まっています。
人気の理由はなんといってもチヌがよく釣れることです。
波止釣りや磯釣りでチヌを狙うより釣れる可能性は高いと言えるでしょう。
本来イカダは牡蠣や真珠の養殖イケスの上に設置されているところも多く、それらを食べにチヌや他魚が集まります。
また、そうでなくてもイカダは漁礁やシモリの近くなどチヌが集まりやすい場所に設置されることが多くイカダ周りの魚影は濃いです。
⑴イカダと海上釣り堀の違い
最近は海上釣り堀といって、イカダと同じようにフロートの上に足場を作ったり、桟橋を作ったりして、その中にイケスを作りイケスの中の魚を釣らせるという所が増えています。
これはイケスという閉鎖されたスペースの中に漁師さんや業者から活魚を仕入れ、イケスの中に放流したものを釣ります。
放流される魚はブリ(メジロ)、シマアジ、ヒラマサ、カンパチ、タイ、イシダイなど高級魚が多いですが、釣り料金も10000円前後はします。
一方、イカダは湾内の沖合いに設置されており、もちろんイケスのような囲いはありません。
自然の状態で生息する魚を釣ります。料金は2000円〜4000円前後の場所が多いようです。
⑵自分でポイントを作って釣れる
イカダ釣りでは基本的に自分の釣り座の真下にヌカや押し麦、粗挽きサナギなどを混ぜ合わせて作ったダンゴを投入しチヌを集めます。
波止や磯からのフカセ釣りのように潮の動きや餌取りの有無でポイントを変えることはしません。
また、落とし込み釣りのように移動しながらチヌの居場所を探して攻めていくというものでもありません。
ひたすらダンゴを打ち返し、自分の竿下にエサ取りも含めて色々な魚を集めて、その中から仕掛けやエサを替えたり、テクニックを駆使してチヌを釣って行くという嗜好性の強い釣りです。
⑶釣り場の取り合いがない
イカダ釣りの良い点は色々あります。
定員がイカダ一基あたりに何人と決まっているので、釣り場が混み合ったり、後から来た人が割り込んで来たりということがありません。
人数が揃えばイカダを貸し切りにして仲間うちだけで気兼ねなく釣りをすることも可能です。
また、大型のイカダではトイレを設置していたり、屋根を設置しているものもあるのでファミリーでも楽しめます。
予約さえすれば、釣り場にアブれることはないので気持ちに余裕を持って釣りに向かえるのがなによりです。
⑷チヌ以外にも色々釣れる
イカダ釣りのメインターゲットはチヌですが、チヌ意外にも色々な魚が釣れます。
イカダを設置している場所の海底の状態にもよりますが、砂地混じりの場所であれば、キス、マゴチ、ヒラメ、カレイなどの砂地に生息する魚も釣れます。
海底が岩礁帯中心だと、イシダイ、グレ、ガシラ、ヘダイ、マダイ、ベラ、コブダイ、アオリイカ、アコウ、小型のハタ類などです。
また沖合いに設置しているので、アジ、サバ、ハマチ、カンパチ、シマアジなど回遊魚が回って来ることもあり、楽しみは尽きません。
⑸イカダ釣りでのマナー
①イカダは海上に浮いているものなので、船と同じく波で揺れます。イカダの上で走り回ったり、大きな足音で歩き回るのはやめましょう。
②イカダに限ったことではありませんが、ゴミを海に捨てないようにしましょう。
③他のお客さんと同じイカダに上がる時はひと声挨拶しておきましょう。後々、お互い気持ちよく釣りができます。
④荷物は自分の釣り座の後ろにコンパクトにまとめて置いておきましょう。
そんなに難しく考える必要はありませんが、同乗者や後に釣りに来る人が気持ちよく釣りに専念出来るようにすれば問題ありません。
イカダ釣りを始めよう
出典:釣具のポイント
イカダ釣りは波止や磯と同じタックルで釣る場合もありますが、イカダ釣り用の専用タックルを使ったほうが断然釣りやすく、釣果も上がります。
⑴イカダ釣りに必要なタックルを揃えよう
ロッドはイカダかかり釣り用の短竿が便利です。
かかり釣りは穂先でアタリを取るので、柔らかい穂先で軽いものが良いでしょう。
長さは1.5m〜1.9mまでのものであれば、ほとんどのイカダで対応できます。
竿の調子は80:20くらいの先調子の竿が使いやすいでしょう。
おすすめの竿はこちら。
リールはドラグ機能もあって、親指でスプールをサミング出来る小型の両軸リールがおすすめです。
両軸リールはスピニングリールと違って、ロッドに対して上向きに付けます。
おすすめの両軸リールはこちら。
イカダ釣りの仕掛けは通常の釣りのように道糸とハリスを接続することはほとんどありません。
リールに巻いているラインに直接ハリを結んで、ハリの50cmくらい上にガン玉を付けるだけという非常にシンプルな仕掛けです。
リールにはフロロカーボンの1.5号〜2号のラインを100mほど巻けば良いでしょう。
イカダ釣りにおすすめのラインはこちら。
ハリはチヌ針の1号〜5号くらいまでを刺しエサの種類によって使い分けます。
基本はチヌ針の2号〜3号を使用し、活きエビや刺しアミなどを使う時は1号、アケミ貝の丸貝(アケミ貝を殻ごと付けるやり方)を使う時は5号を使うと良いでしょう。
おすすめのチヌ針はこちら。
⑵イカダ釣りを快適に過ごせるグッズ
実釣の為のタックル以外にも、イカダ釣りの際に使うと快適&便利に過ごせするグッズが多数販売されています。
貴方の釣りスタイルに合わせて準備しておけばイカダ釣りがより楽しめるでしょう。
釣った魚を元気にキープ出来るビクはこちらがおすすめ。
面積が大きく、ダンゴが混ぜやすいバッカン。
イカダに固定出来るタイプの竿受けがあれば、便利です。
⑶釣行までの流れ
タックルや周辺グッズを用意したらいよいよ釣行です。
イカダ釣りは予約制のところがほとんどなので、イカダに渡している渡船店に電話をして予約をしましょう。
イカダには名前や番号があり何箇所かに分けて設置しています。慣れてくると予約の際に自分の行きたいイカダを予約することも可能ですが、慣れるまでは船頭さんにお任せで良いでしょう。
予約する際に出船時間と終了時間を確認しましょう。
ついでに最近の釣れ具合や、刺しエサは何が良いかなどの情報収集をしておくと良いでしょう。
他には、弁当を手配してイカダまで配達してくれる所もあるので、自分で弁当を用意しない時は利用するとよいでしょう。
その時にダンゴを入れる為の桶の貸し出しをしているかなどの確認も出来ます。
釣行当日は出船時間の30分くらい前には現地に到着出来るように余裕を持って出発しましょう。
イカダ釣りの仕掛けとエサについて
出典:釣具のポイント
イカダ釣りは基本的には自分の釣り座の竿下に魚を集めて釣るので、仕掛け自体は非常にシンプルなものになります。
⑴イカダでチヌを狙う仕掛け
基本はロッドのガイドにリールに巻いているフロロカーボンのラインを通し、ラインの先にチヌ針を結ぶだけです。
オモリは潮の流れに応じてガン玉を針の30cm〜1m上に付けます。
潮の流れがほとんどないようならガン玉なしかG1程度の軽いオモリを選びます。
潮の流れが速くダンゴが割れた後に仕掛けが浮き上がってると思われる時は3B〜1号くらいまでを使い分けます。
⑵イカダ釣りのダンゴとは?
イカダ釣りでは刺しエサを米ヌカなどで配合したダンゴに包み、ダンゴを竿下に投入して釣ります。
その時のダンゴが刺しエサを底まで届けるオモリの役目、刺しエサが落ちていく途中にエサ取りなどにエサを取られない為のバリアの役目、海底で匂いや濁りなどでチヌを始め色々な魚を集める集魚剤の役目と1つで3役をこなす重要なものです。
ベテランになると自分の好みの配合や、釣り場の水深や潮の速さなどに応じて配合を変えたりもします。
基本的にはヌカ3 砂1 粗挽きサナギ1 押し麦0.3の割合で配合します。
その地域によってよく使われてチヌの寄りのいい配合もありますが、分からない場合はこの基本配合でやってみましょう。
高水温期はエサ取りが集まり過ぎないようにアミエビや集魚剤はあまり入れません。
初心者のうちは予め配合されているダンゴが販売されているので、そちらを使用しても良いでしょう。
慣れてくるに従って自分で色々な配合を試してみるのもイカダ釣りの楽しみのひとつです。
予め配合済みで単品使用出来るダンゴはこちらがおすすめ。
⑶イカダ釣りの刺しエサ
チヌは雑食性で何でも食べます。
ただいつでも何でも食べるかというとそうでもありません。
水温や潮の具合、エサ取りの状況などで良く釣れるエサとそうでないエサが日によって変わることもしばしばあります。
釣行の際は何種類かのエサを用意することをおすすめします。
事前に渡船店にどのエサが食いが良いか聞いておくと良いでしょう。
チヌのダンゴ釣りで主に使われるエサはオキアミ、アケミ貝、シラサエビ、ボケ(カメジャコ含む)、コーン、練りエサ、サナギ、カニ、虫エサなど多種あります。
これらを状況によって使い分けて、その日の当たりエサを探します。
イカダ釣りで最高の休日を過ごそう!
出典:釣具のポイント
釣りという趣味は、日頃のストレスから解放してくれる素晴らしい趣味です。
そんな中でも波静かな湾内に浮かんだイカダの上で、のんびりと過ごせる休日は最高のものとなる筈です。
「年無し」と言われる超大型チヌを狙うもよし、ひたすら数釣りに精を出すのもよし、あるいはゆらりと揺れるイカダの上での昼寝もよし。
貴方も是非、イカダ釣りの素晴らしさを体験してみてください。
それでは、Enjoy your fishing life!