
【アウトドア義援隊】
1995年1月、阪神淡路大震災の時でした。辰野勇氏(モンベル代表)は、約2000個のスリーピングバッグと数百張りのテントを被災地に配り、全国のアウトドア関連企業や団体に協力を求め、救援物資を募りました。
慣れない野外生活に戸惑う人たちにテントの張り方からロープの結び方まで教えて回りました。
アウトドアで培った経験や知識、そして機能的な道具が緊急時に役立つことを身をもって実感した活動となったそうです。
大自然と災害現場には共通点があります
筆者は、高校生の時に、阪神淡路大震災を体験しました。
私の地域は、震度4強で、棚から少し物が落ちる程度でしたが、当時神戸に近い吹田市に住んでいた、兄の自宅は、部屋の中はぐちゃぐちゃになり、コップや皿は割れてしまい、しばらく実家に帰って来ていたのを今でも鮮明に覚えています。
震災発生後すぐ、知り合いが神戸に居たということもあり、ボランティアの為に神戸へと足を運びました。
私の実家がスポーツ用品店なもので、キャンプ用品を持って応援に。
テントや寝袋、バーナーなどを用意しました。
キャンプ用品が避難生活に役立つことを証明できた瞬間です。
よく、キャンプやバーベキューをした仲間が被災するとは想像もしていませんでしたが、普段からアウトドアを共にしていたので、ライフラインが途絶えた時は、すぐにキャンプ用品が頭をよぎったのです。
大自然の中でキャンプやバーベキューをすることと、ライフラインが寸断された環境はよく似ているとして、アウトドアの道具や知識が緊急時に役立つんです!
遊びが生活の知恵になる!
アウトドアは遊びの延長です。
子供の頃の遊びが、大人になり、道具を揃えてキャンプで役立っている。という方はたくさんいるのではないでしょうか?
秘密基地は、テントやタープとなり、幼い記憶が蘇るという方もいらっしゃるでしょう。
緊急時、ライフラインが復旧するまでの避難生活で役立つ知恵がたくさんあるのではないでしょうか。
災害への備えは万全になります
あなたの住む地域では、どのような災害が起こり得るでしょうか?
どうすれば被害を最小限にとどめることが出来るのでしょうか?
どうすれば家族の安全を確保出来るのでしょうか?
常日頃から、情報や知識の収集に努め、緊急時に必要な物を備蓄し、地域の避難訓練に参加するなど、災害への備えは物だけでなく、心も重要です。
皆さん一人一人の意識が変われば、救える命がひとつ、またひとつと増えていくことでしょう。
日本の自然災害といえば、真っ先に[地震]を思い浮かべるかもしれません。
実は、日本での自然災害による死者・行方不明者は、阪神・淡路大震災や東日本大震災などの大規模災害を除けば、その半数以上が[土砂災害]によるものだそうです。
日本の国土は7割が山地です。また、降水量は世界平均の約2倍。
急峻な地形に大量の雨が降ることによって、[土砂災害]が発生しやすい条件が日本中至るところに備わっていると言えます。各都道府県が発表している[土砂災害]の発生危険箇所は、全国合わせて約52万箇所もあるのです。
さらに、世界で起きるマグニチュード6.0以上の大地震のうち、約2割は日本で起きており、活火山も、世界に800あるうちの110が日本にあります。これらが、災害大国日本と言われる所以なのです。
災害に見舞われやすい国土であることを認識し、対策を考える必要があるのです。
まず、災害発生時にとるべき行動を2段階に分けてご紹介します。
①一次避難
災害発生直後、自分の身の安全を確保し、命を守ること。
●頭を保護し、大きな家具から離れる
●丈夫な机の下など、安全な場所に逃げ込む
●慌てて外へ飛び出さない
●火を消せるのであれば消す
●扉を開けて避難路を確保する
《役立つアイテム》
・ホイッスル・エマージェンシーコール・ヘッドランプ・ランタン
②二次避難
一次避難において、自分の身の安全を確保した後、ライフラインが復旧するまでの間のこと。
●避難生活
避難所暮らしは、食料配給を受けやすい・情報を得やすいです。
テント生活は、配給を受けられない場合がありますが、プライベート空間は確保できます。
《役立つアイテム》
・寝袋・マット・テント
商品紹介
モンベルでは、災害時に役立つものを厳選し、被災時の段階に応じたセットを揃えています。
①エマージェンシーポータブルセット
〈重量〉360g
〈カラー〉ガンメタル(GM)
〈サイズ〉φ90×210mm
〈内容〉ボトル(容量1L)、エマージェンシーコール(笛)、LEDキーホルダー(小型ライト)、救急セット(洗浄綿と絆創膏)、ファーストエイドバッグ(ボトルの中身を収納する防水バッグ)、エマージェンシーシート(体温低下を緩和させるシート)、日本手ぬぐい、エマージェンシー・ハンドブック
水筒として使用できるクリアボトルに納められた常時携帯用のセットです。
緊急避難時の最低限のセットが入っています。
②エマージェンシーイニシャルセット
〈重量〉2.1kg
〈カラー〉オレンジブリック(OGBR)
〈サイズ〉高さ470×幅270×奥行き160mm
〈内容〉エマージェンシーパックM(帰宅困難時、徒歩での帰宅に配慮したセット用バッグ。暗闇で反射して光る反射マーク、IDタグ付き)、H.C.ヘッドライト、エマージェンシーコール、エマージェンシーシート、O.D.トイレキット、O.D.ロールペーパー、O.D.ポケットウェットティッシュ、救急セット、ビクトリノックスコンパクト、アクアペルファーストエイドバッグ0.5L、防災ロープ(φ6×7m)、ノーメックス グローブL、アクアノートM、マーカー、クイックドライマフラータオル、H.C.5wayマルチラジオ、エマージェンシーハンドブック
一次避難時を想定して作られたセットです。
③エマージェンシーパーソナルユニット
〈重量〉4.0kg
〈カラー〉オレンジブリック(OGBR)
〈サイズ〉高さ500×幅300×奥行き200mm
〈内容〉エマージェンシーパックL(個人装備の収納用バッグ。暗闇で反射して光る反射マーク、IDタグ付き)、バロウバッグ#3、U.L.コンフォートシステムパッド120、O.D.トイレキット(6個)、O.D.ポケットウェットティッシュ(2個)、O.D.ロールペーパー、クリマプラス100コンパクトトラベルシューズ(Lサイズ)、バキュームパック、ウォーターキャリー6.5L(2個)、トラベルキットパックM、チタンスプーン&フォークセット、チタンシェラカップ420、エマージェンシーハンドブック
二次避難時、1人用のセットです。
④エマージェンシーセット グループ3
〈重量〉9.7kg
〈カラー〉オレンジブリック(OGBR)
〈サイズ〉高さ550×幅330×奥行き180mm
〈内容〉エマージェンシーローリングダッフル45(容量45Lのホイール付きトローリーバッグ。暗闇で反射して光る反射マーク、IDタグ付き)、ムーンライトテント3型(1〜3人用)、ジェットボイル(PCSフラッシュ)、浄水器、ウォーターキャリー6.5L(2個)、シャンプー(無水タイプ)、エコソープ50ml、H.C.5wayマルチラジオ、H.C.ヘッドライト、2way LEDランタン、トラベルワレット、多機能テープ、キャンドル(2個)、ウォータープルーフマッチ、エマージェンシーハンドブック
避難生活時の1〜3人用のセットです。
まとめ
「天災は忘れた頃にやって来る」
どなたの言葉かご存知でしょうか。
寺田寅彦氏の有名な言葉です。
日々、心のどこかに災害を忘れることなく暮らすということは、台風や地震などの自然災害の多い日本で生きていくための知恵なのかもしれません。
そんな心配などせずとも心豊かに暮らせたらもっと良いのでしょうが、そうもいかないですよね。
ただ、いたずらに恐れるだけでなく、日々の暮らしやアウトドアの遊びで、普段から防災意識を高め、経験や知識を積み重ね、役立てることを目指したいものです。