
遊漁船や磯場、サーフや河口など多くの場所での釣りで必須と言えるアイテムの一つが、ライフジャケットですよね。
しかし、一言でライフジャケットと言っても多くの種類があり、タイプも違えば素材も違いどのライフジャケットを、何の基準で選べばいいのか分からず悩みますよね。
タイプや使用している素材によっては向き不向きの場所があり、そのことについて詳しく知っておかないと、ライフジャケットを着用していてもいざという時に役に立たず、命を危険にさらしてしまうことにもなりかねません。
そこで今回は、ライフジャケットの種類や選び方、安全性の高さの違いなどについて詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
ライフジャケットは命を守る命綱
水が関係するレジャーでは必ず必要になるライフジャケットですが、着用している方と着用していない方とではどれ位生存確率が違うかご存知でしょうか。
ライフジャケットを着用している方の生存率は84%となっていますが、未着用の方では生存率は24%となっており、生存率に約3倍以上の差が出ています。
泳ぎに自信のある方は大丈夫だと思うかもしれませんが、泳ぐための格好をして泳ぐ場合と着衣したままで泳ぐことは全く違い、さらに波のある海では泳ぎにくく高波などに揉まれてしまうようなことがあれば、浮いていることすら困難でしょう。
さらに、海で落水してしまった場合、潮の影響で流されてしまい仮に浮き続けられたとしても、何も着用していないと広い海での発見は難しくなりますが、ライフジャケットを着用していれば明るい色や目立つ色をしているので、発見される可能性が高くなります。
ライフジャケットは自分の命を守る命綱になるので、必ず着用して釣りを楽しみましょう。
どんな種類があるのか
ここでは、ライフジャケットの種類について、メリットとデメリットと合わせてご紹介していきたいと思います。
浮力材を使用したライフジャケット
出典:シマノ公式
浮力材入りのライフジャケットは、フローティングベストと呼ばれるものが一般的で、水に浮く素材を使用して落水した時に浮力を得ることが出来ます。
主に磯や河口付近での使用がおすすめで、半分水につかって行うウェーディングゲームなどにも最適です。
膨張式のものだと岩やカキの殻などで破けてしまう可能性があるので、ゴワゴワして動きにくく感じるかも知れませんが、上記の場所では浮力材入りのライフジャケットを選ぶといいでしょう。
膨張式のライフジャケット
出典:シマノ公式
膨張式のライフジャケットは、膨張した時に目立つようにオレンジ色や黄色など目立つ色をしていて、長時間水の中にいても水を吸わないため浮力の変化が少なく、主に船での釣りで使用されています。
腰巻式と首掛け式、そしてポーチ式の3種類があるので、それぞれのメリットとデメリットと合わせてご紹介していきたいと思います。
腰巻式
腰巻式はその名の通り、腰にベルトのように巻いて使用するタイプのライフジャケットで、非常にコンパクトで動きやすいメリットがありますが、落水時に膨張した時に背中側に浮輪が出来てしまうので、うつ伏せで浮く状態になります。
ある程度自分で体制を調整する必要があるので、いざという時辛く感じるかも知れません。
首掛け式
首にかけて使用するタイプのライフジャケットになりますが、このタイプが船での釣りにおいて一番安心感をもって使用できるタイプではないでしょうか。
首掛け式は落水して膨張した時に、首周りから体の前にかけて浮輪が出来るため、何もしなくても顔が水面から出るようになっており、背中に浮輪が出来る腰巻式と比べると安全性や安心感は格段に高くなっています。
ポーチ式
ポーチ式のライフジャケットは、体に密着して膨張するタイプのものではなく、ロープにつながれた浮輪が膨張して飛び出してくるタイプのものです。
このタイプのものは、軽量で身動きが取りやすく動きやすいため楽に感じるかも知れませんが、膨張して飛び出してきた後に、自分で手繰り寄せて首にかける必要があり、あまり泳ぎが得意ではない方には向かないタイプだと言えるでしょう。
膨張式には手動と自動がある
膨張式タイプのライフジャケットには、手動で紐を引き膨張させるタイプと落水したことを感知して自動で膨張させてくれるものと2種類あります。
手動では落水した時にはどうしても焦ってしまい、特に腰巻式とでは背中側に紐がついているため、いざという時に引くことが出来なかったりすることがあります。
その点、自動膨張式タイプは落水と同時に膨張してくれるので、自分で引くことが出来なくても安心です。
しかし、自動膨張式は水に反応して作動するので、大雨の時などは誤作動する可能性があるので、購入を検討する際は安価なものではなく、しっかりとした大手メーカーのもので基準をクリアしているものを選ぶようにしましょう。
釣り場に合わせて使うことが安全性を高める
出典:シマノ公式
ライフジャケット選ぶ際に一番注意してほしいことは、釣り場に合わせたものを選ぶことです。
磯や河口付近など岩や貝殻などでゴツゴツした場所で、膨張式のライフジャケットを使用しても落水した後に、岩や貝などにこすれただけで破けてしまい、救命胴衣としての役割を果たすことはできません。
なので、磯や河口付近などライフジャケットを傷付けてしまう可能性がある場所では、浮力材入りのライフジャケットの方が安全性が高くなります。
一方で、船の釣りでは長く浮いていられる浮力性能と、流されてしまった場合に発見されやすいように、明るい色をしている必要があります。
それらの特徴を備えているのが膨張式タイプのライフジャケットで、ガスが入って膨張した浮輪の色は明るいオレンジ色か黄色でよく目立ち、空気が抜けてきたら自分の口で息を入れて膨らませることも出来ます。
このように、釣り場に合わせた使い方や選び方が安全性を高めることになるので、覚えておくといいでしょう。
種類別おすすめライフジャケット6選
ここでは、ライフジャケットのおすすめを種類別で、各種2つずつご紹介したいと思います。
ダイワ インフレータブルライフジャケット DF-2608 肩掛けタイプ手動・自動膨脹式
|
調整域の広いタイプのウェストベルトと、背面アジャストベルトを搭載していて55〜140cmまで調整できるので、誰にでも合うように設計されています。
また、首周りにフィットするように立体裁断設計で作られているので、動いてもずれにくく使いやすいです。
船での使用におすすめなAタイプ。
プロックス 自動膨脹式ライフベスト検定品 ブラック PX030AK
|
水辺の釣りやレジャーをはじめ、全ての小型船舶で使用可能な自動膨脹式ライフジャケットで、水を感知して自動的に炭酸ガスで膨脹します。
万が一膨らまない場合でも右側の手動用作動策を引けば膨脹するので安心です。
船での使用におすすめなAタイプ。
ダイワ Wライフジャケット(ウエストタイプ) カモ柄 DF-2207 自動膨張式
|
Aタイプのライフジャケットですべての船舶で使用することが出来ます。
ウエストタイプなので、ジギングなどでシャクり上げる時にも邪魔にならず動きやすいです。
また、ボンベは他社製品のものも流用出来るので便利です。
Aタイプなのですべての小型船舶で使用できます。
自動膨張式ライフジャケット ラフトエアジャケット ウエストタイプ シマノ VF-052K
|
装置がセットされている状態を確認できるインジケーター付きの充てん装置を搭載し、取り外せる気室や幅広いサイズに対応できるアジャスト機能も搭載されています。
外カバーは面ファスナーで着脱可能なため、汚れても取り外して洗えるウォッシャブルタイプ。
Aタイプなのですべての小型船舶で使用できます。
自動膨張式ライフジャケット マリンベスト KK-11 ブラック
|
ライフジャケットがコンパクトなウエストポーチに収納されており、付け易く非常に軽量です。
装着感がほとんど無く軽快性に優れさらに、動き易く作業性が抜群で邪魔にならず付けていても快適に釣りを楽しむことが出来ます。
ライフジャケットはベルトと連結されているので、身体から離れる事がなく安全です。
Aタイプなので船舶での使用が可能です。
フローティングベスト 高階 国土交通省承認 BSJ-4320RS 膨脹式ライフジャケット
|
ダブルインジケーター付き充気装置を採用していて、使用可能かどうかが一目でわかるようになっており、二つのインジケーターの色がグリーンであれば使用可能です。
膨脹後には使用者が自分で気室を首にかける必要があります。
国土交通省承認の証である桜マーク
桜マークとはJIC(日本小型船舶検査機構)が国の代わりに安全性を確認し、承認された時に押される桜型の証印マークのことです。
国土交通省ではライフジャケットの着用義務を拡大するため、関係法令を改正し平成30年2月からすべての小型船舶の乗船者に、ライフジャケットの着用を義務化しました。
ライフジャケットには浮き上がる力が7.5kg以上で、顔を水面上で維持できることなど様々な安全基準が設けられており、それらをクリアした証が桜マークになります。
桜マークの付いたライフジャケットには、基準や用途に合わせてタイプが分けられているので、購入する際には乗船する船で使用可能なものを選ぶといいでしょう。
出典:国土交通省
基本的にはAタイプのものであれば、どの船舶でも使用することが出来て安全性も高いため、コストは少しかかりますが購入を検討するのであれば、Aタイプのものをおすすめします。
★関連記事★
安全に釣りを楽しもう
出典:シマノ公式
どんなレジャーにも言えることですが安全に何事もなく楽しむことが一番大切ですが、自然が相手の釣りでは予測していなかったことが起こりえます。
高波で引き込まれてしまったり、急な天候の変化で海が荒れてしまい船から投げ出されてしまったり、時には自分のミスで足を滑らせてしまい、落水してしまうこともあるでしょう。
そんな時に、しっかりと備えをしておくことが自分の命を守ることになるので、もしもの時の備えを万全にして安全に釣りを楽しみましょう。