
ファミリーフィッシングの代表格ともいえるサビキ釣りですが、初めて釣りをする初心者からみると、案外、難しいのです。
でも、そんな方でも大丈夫!レベルに合わせたサビキ釣りの裏技や便利な知識を説明します。
ここに書かれていることは、私が長年釣りをしてきて体験したことをまとめた内容になりますので、一般的な魚釣りの本には、あまり書かれていないことがあるかもしれません。
しかし、本には書かれていない方法や情報を知ることで、他の人よりもたくさん釣れる可能性があります。たくさん魚を釣って子供にかっこいい姿を見せたいパパさんは必見の内容になっていますので、最後まで読んでみてくださいね!
目次
サビキ釣りで釣れる魚と基礎知識を知ろう!
魚には手がありません。だから、エサを食べる時は、目に入った水中に存在するものを、一旦、口の中に入れたり、口で突っついたりして、エサかどうかを判断します。
エサではないと判断すると、吐き出したり、捕食をやめたりします。
余談になりますが、EUでプラスチック製の食器類の使用を止める動きがあります。海のゴミの大半が、ペットボトルやポリ袋などのプラスチック製の物であり、魚が間違って食べてしまうからです。
魚のエサを大量に撒き、撒いたところにエサっぽく見せた物を浮かべておくと、魚はエサと間違えて食べてしまうのです。
よーく、考えてみてください。魚は水中に浮かんでいる物がエサなのか、エサではないのか、見ただけでは、わからないのです。そして、口に入れて、初めてエサではないものを食べてしまったと判断し、吐き出すのです。
これが、サビキで魚が釣れる原理になっています。
とりあえずアジを狙おう
サビキ釣りの対象魚の代表格はアジです。アジは、折りたたみ式の口を大きく広げ、水中にある物を全てを飲み込むようにして食べるので、サビキで良く釣れます。
さらに、アジという名前の通り味が良く、小さくても唐揚げやアジフライにすると、とても美味しいのです。
他の対象魚
年によりますが、コサバ、イワシ、カマス、ワカシ(ぶりの稚魚)が大量発生し、接岸する時があります。これらの魚も、サビキで釣れます。
しかしカマスだけ釣り方が異なってきます。
カマス専用のサビキで、コマセを撒くと別の魚が寄ってくるので、コマセを撒かないで釣ります。
カマス専用サビキ
信じられないかもしれませんが、針だけで釣れちゃう魚もいます。体長10センチ未満のカマスの稚魚などなどです。ワカサギ用の針で釣りますが、これは初心者には難しいかもしれません。
コサバは唐揚げ、イワシは(種類によりますが、)醤油とショウガで煮つけに、カマスは焼いて食べると美味しいです。
サビキで釣れる外道
ハオコゼ、丸太ウグイ、ボラなどが釣れることがあります。
ハオコゼ、ゴンズイ、オニオコゼ、アイゴは、毒針を持つ魚の代表格です。色々な魚が釣れてしまうので、見知らぬ魚は触らないようにしましょう。
丸太ウグイやボラなど、サビキ仕掛けの規格外の外道が針にかかってしまうことがあります。上手く釣れば何ともないのですが、普通は仕掛けが切れてしまったり、釣りあげた時、魚が暴れて仕掛けが絡んだりします。
だから、食べられない大型の魚が近づいてきたら、針にかからないようにしましょう。
実は大物が釣れることもある
出典:HONDA
実は、メバル、メジナ、チヌ、サンバソウ、ソゲ、カワハギなどもサビキで釣れるのです。
メバルやカサゴなどの根魚系は、案外、大きなものも釣れます。
メジナやチヌ、サンバソウは、体長約20センチまでの物が釣れます。こういう魚は、堤防
についている貝が大好きなので、サンバソウを狙うときは、現地で調達した貝を撒きます。
初心者には難しいかもしれませんが、慣れてくるとできるので、参考までに記します。
カワハギは、なんにでも興味を示すので、サビキの周りに寄ってきます。すると、仕掛けに
体が絡んでしまうのです。もちろん、ガッツリと針にかかることもあります。
ソゲは、魚の群れが大好きなのです。コマセを撒くと小魚が寄ってきます。この小魚を追い
かけて寄ってくるのです。ソゲが良く釣れる場所では、針や針にかかった魚に食いついてか
かったりします。
準備する物
サビキ釣りの方法を簡単に説明します。
- 竿、リール、ミチイトをセットする。
- ミチイトの先にサビキ仕掛けを結ぶ。
- コマセカゴ(錘付き)をサビキ仕掛けに結ぶ。
- コマセカゴにアミエビを入れ、海に投入する。
- 魚がかかったら釣りあげる。
この釣りで準備する物は、竿、リール、ミチイト、サビキ仕掛け、コマセカゴ、ウキ、アミエビです。揃えるものはいくつかありますが、必要な物がまとめて入っている初心者向けのお得なセットも販売されているので、迷う場合はセットを買うのもおすすめです。
お得なセットはこちら
それぞれの道具について順に説明します。
竿の選び方について
釣り竿には高級な何万円もするものから数千円で買えるものまで様々です。
初心者がサビキ釣りをするのに数万円もする高級なものは必要ありません。
釣具屋さんやネット通販で買える数千円の竿で十分釣ることができます。
サビキ釣りでは、5.3mの磯竿がベストです。
5.3mの竿は、穂先が柔らかく全長が長いので子供には使いづらいため、お子さんは3.0~3.3mの投げ竿の方が、短く扱いやすいでしょう。
リールについて
出典:楽天
水深が竿よりも深い場合や高い堤防から釣る場合、リールが必要になります。最初に購入するリールは、操作がしやすいスピニング・リールの安価な物がお薦めです。
安物の延べ竿が案外使いやすい
ここでお薦めなのが、万能の延べ竿です。軽く、穂先が柔らかく作られていて、難しいリールを操作する必要がありません。
防波堤のサビキ釣りでは、竿の先端の真下に居る魚を狙います。延べ竿は、ある程度の長さがあるので仕掛けを魚の居るところまで運ぶことも出来ます。
ミチイトについて
リールを見ると、3号-150m糸付と書かれています。これは、太さ3号の道糸が150m、あらかじめ巻いてあることを表しています。
さらに、ナイロン糸巻量2.5-180、3-150、4-100と書かれています。これはナイロン糸だと、2.5号の太さの糸は180m、3号は150m、4号は100m巻くことができるリールであることを表しています。
ミチイトの種類は、ナイロン、フロロ、PEと表示されています。ミチイトは、竿先から仕掛けまでを結ぶ糸の事を言います。仕掛けを構成している糸の事をハリスと呼びます。一般に、ミチイトはハリスより固く(伸び縮みしない、曲がりにくい)作られています。
3種類のミチイトは以下のような性質があります。
- ナイロン ・・・ 比重が小さいので水に浮きやすく価格も安い
- フロロ ・・・ 比重が重いので水に沈みやすいく根擦れには強い
- PE ・・・ 細くて強いが根擦れには非常に弱い
堤防釣りではナイロン糸3号が妥当な太さです。
値段も安く初心者にも扱いやすいのでナイロンを選んでおけば間違いありません。
サビキ仕掛けの基本は白系を選ぼう!
サビキ仕掛けの針についている皮をハゲ皮と言います。昔は魚の皮を乾燥させて糸に巻き付けて使用していました。カワハギ(ハゲ)の皮を巻いていたのでハゲ皮と言われるようになりました。
このハゲ皮の色や形の選び方で結果が変わってきます。10人いれば10通りの選び方があります。私のお薦めは、白です。白が無い場合は、ピンクまたは緑のスキンです。
また、対象魚のアジのサイズと針の大きさの目安ですが、10センチ未満では3~4号、10~15センチで5号です。
小さい子供だと5~6本もある釣り針を扱えず、絡めてしまうかもしれません。そんな時は、針の数を減らしましょう。1~2本あれば釣れます。針の本数を減らす場合、仕掛けの真ん中で切って、2等分すると経済的です。
カゴはふた付きのものがおすすめ!
魚を寄せるためのコマセを入れるカゴですが、ふた付きの物がおすすめです。フタが無いと、水面付近でコマセが撒かれてしまい、効率よく魚を寄せることが出来ません。また、魚が居る棚が浅く、水面付近で撒きたい時でも、フタを開けて使えば大丈夫です。
コマセカゴの中のアミエビの減り方で潮が動いているかどうか(海水が流れているかどうか)がわかります。潮が動いていないと、魚は口を使いません。海底でじっとしているだけです。
このような潮が動いていない時は、コマセカゴの中からアミエビは出にくくなります。反対に潮の動きが速い場合、素早くコマセカゴからアミエビが出ていきます。潮の動きが速すぎると、コマセを撒いても流されてしまい、あまり釣れなくなります。
こう考えると、潮の動きが早くも遅くもない時や場所で良く釣れます。
浮きは無くても良いが使用する場合も!
堤防の足元で魚が釣れる場合は使用しませんが、きちんと棚を調製しないと海底に引っかかる場合や少し投げたい場合に使用します。当然ですが、浮きを使用するのはリールを用いる場合のみです。
ヨーヅリ「秋桜」、またはそれに似たウキが良く使用されます。コマセとコマセカゴに付いている8~10号の錘に対応できるからです。
ヨーヅリ「秋桜」ウキは、遊動仕掛けで使用します。遊動仕掛けは、竿の長さより深い棚でウキを固定するために使用します。ウキ止め糸、シモリ玉、カラマン棒(ゴム管とつまようじ)を用意しなければいけないので、初めて釣りをする人には難しいでしょう。
遊動仕掛けは、リールに近いほうから順に、ウキ止め糸、シモリ玉、ウキ、カラマン棒をミチイトに取り付けます。ウキ止め糸はガイドより小さく、ガイドの輪をくぐっていきます。ガイドとウキが絡むのを避けるため、シモリ玉を取り付けます。カラマン棒は、ゴム管を2つ、ミチイトに通し、2つのゴム管に1本のつまようじを入れたもので、仕掛けとウキが絡まないようにします。
アミエビ
アミエビは、スプーンなどが付いたセット商品に目を奪われがちですが、何の変哲もない単純なアミエビブロックの方が使いやすいです。カゴでアミエビをすくって入れてやります。
手が汚れるのがイヤな場合はチューブタイプもあります。
【裏技】クッキングボックス
よくサビキ釣りに行く人には、クッキングボックスをお薦めします。アミエビが漏れないので、余ったアミエビはそのまま冷凍庫で保存できます。また、釣り場でアミエビを使い切った場合、海水で洗えば臭いは残りません。
臭い対策グッズ
車で釣りに行く場合、車に臭いが付くことって嫌ですよね。そこで、臭い対策グッズを紹介します。
ポリタンク
ポリタンクに真水を貯めておき、釣りが終わったら石鹸で手を洗いましょう。蛇口付きの物がお薦め!!
静電ポリ袋
臭いが付いたものは、全てポリ袋に入れてしまいましょう。ちょっとした衝撃で破けてしまうものはNGです。
タオル
アミエビを使うごとに海水で手を洗い、タオルで拭きましょう。また、海水を汲むためのバケツも必要です。
たくさん釣るためには事前の情報収集が大事!
たくさん釣るためには、釣れている情報が決め手になりますが、説明をわかりやすくするために、ここではアジの性質を説明しておきます。北陸・上越地方のものなので、目安にしてください。
春、5月に体長20~40センチの大型のアジが産卵のため接岸します。潮通しの良い海底の岩場の回りに群れます。
6月中旬に5~6センチの稚魚が姿を現します。この頃になると、大型のアジは姿を消します。
5~6センチのアジは、7月には10センチ、9月には10~17センチまで成長します。7月から10月まで、同じ場所で釣れ続きます。
11月~1月ごろまで釣れますが、成長したアジは沖に出ていくので数が減っていきます。2月になると水温が下がり口を使わなくなります。
このように季節によってサイズが違ってきます。こうして、5月には大型のアジが釣れている、6月にはアジの稚魚が釣れ始めた、という情報が出ます。
釣れる時間
朝と夕方はプランクトンが活発になり、これに伴ってアジの動きも活発になります。明るい時間帯だと、日の出から日の出後4時間まで、日没前4時間から日没まで釣れます。秋のハイシーズンになると一日中釣れます。
釣り情報は、場所だけでなく、何時頃釣れるかも重要です。
棚について
アジが泳いでいる棚は、基本、底です。
最初は、底まで仕掛けを落とします。コマセを撒き始めると、アジの活性が高くなり、底から水面にまで上がってきます。すると、底では釣れなくなります。
最初は底で釣れるかどうか試してみて、カゴから離れた針にアジがかかるようなら棚をあげていってみてください。また、水面付近で小さいアジ、底で大きめのアジが釣れるケースも良くあります。棚とアジのサイズにも注意しましょう。
アジは口が弱く、かかってもあげる時にポロリと針から落ちてしまう時があります。アジが釣れた時、口のどこに針がかかっているか見てみましょう。
下唇にかかっている時は、アジの居る棚で釣れたということです。下唇にかかっている場合は、針から外れる(釣りあげる前に逃げられてしまう)可能性が高くなります。
上唇に針がかかっている場合は、アジの居る棚より少し上で釣れたのです。上唇にかかった時は、簡単には外れません。
以上の事を考えて、ベストな棚を見つけましょう。
アジの回遊について
アジが釣れないと、回遊(魚の群れが回ってくること)待ちと言って、回遊してくるのを待つ人がいます。アジは、岩場の周辺を泳ぐ魚で、ほとんど回遊はしません。
アジが釣れないのは、アジが居ないからではなく、潮が流れていなかったり、底が荒れていたりする時です。こういうときでもアジは海底でじっとしています。エサを食べないだけなのです。
どうしてアジが釣れないのかを考えたほうが、釣れるようになるための対策を立てやすく、上達が早くなります。
揺らさないとサビキにかからないはウソ!?
サビキを揺らさないとアジが釣れないと思っている人が居ます。カゴからコマセが出にくい時は、上下に竿を振って、コマセを出しますが、コマセが出てしまうと揺らさない方が釣れます。
サビキ仕掛けにエサを刺す
よくサビキ仕掛けにエサを刺している人がいます。数年前にトリック仕掛けが出てきた影響ですが、トリック仕掛けとサビキ釣りは少し考え方が違います。
ややこしくなるのでここではトリック仕掛けについては詳細に説明しませんが、サビキ釣りは「疑似餌では釣れないけど、本物のエサなら釣れる」というものではありません。
魚の活性が高く、コマセと集魚を同じエサで賄い、効率よく釣ろうとするものです。
サビキ仕掛けにエサを刺してしまうと、単なる胴突き仕掛けでの釣りになってしまうので効率が落ちます。
つい忘れがちなアウトドアグッズ
魚釣りでは、釣り情報に気を取られて、つい忘れてしまうグッズがあります。日焼け止め対策と水分補給関係です。
・日焼け止め
・帽子
・サングラス
・飲み物
これらのグッズを確認した上で釣りを楽しみましょう。
女性や子供にはトイレが近くにあることも重要なポイントですので、周辺情報も調べておくと良いでしょう。
大人は子供からは絶対に目を離さないように注意!
子供は、身体に対して頭が大きく不安定な体形をしています。
また、ちょっとしたはずみで海に落ちてしまうことがあります。子供のライフジャケットは重要ですね。また、子供だけライフジャケットだと、子供から見て「パパだけ着ないなんてズルイ!!」と思われるかもしれないので、大人も着用するようにしましょう。
着用していれば万が一大人が落水した場合も安心できます。
子供がやってしまう危険行動
子供は海に落ちるという危険予想ができません。防波堤の縁に座ったり、海を覗き込んだりします。海から50センチは離れることを徹底してください。
それに、釣り針や錘を危険な物とも思っていません。平気で釣りをしている人に近づきます。釣り針が身体に刺さったり、錘が身体に当たったりする事故が、毎年何件かあります。釣り道具は危険な物と教えてあげてください。
まとめ
少々難しいことも書きましたが、サビキ釣りは家族で楽しめる釣りの代表格です。
回りの釣れている人を見ていれば、やり方がわかるくらい単純です。
準備をしっかりして、安全に楽しく家族でサビキ釣りを楽しみましょう!