
投げ釣りの代表的な対象魚のひとつにカレイがあります。
小気味よいシャープなアタリを楽しむシロギスに比べ、カレイはズッシリとした重量感と、巻き上げる途中の締め込みが魅力です。
また、食味も良く釣っても食べても最高のターゲットです。
今回は投げ釣りで狙うカレイ釣りについて解説していきます。
是非、参考にしてみてください。
カレイってどんな魚?
⑴ カレイの種類
■マコガレイとイシガレイが主なターゲット
カレイはほぼ世界中の海に生息しています。
ザブトンと言われる1メートルを超える大型のものから小型のものまで100種類近くが確認され、日本沿岸でも20〜30種類は生息しています。
その中でも投げ釣りのターゲットとして、多くの地域で対象とされているのは、マコガレイとイシガレイです。
■マコガレイ
比較的沿岸部の砂泥地に生息しています。
大きさは最大で60センチ程になるようですが、一般的には20センチ〜40センチのものが投げ釣りの対象で、40センチを超えると超大型と言えるでしょう。
体表には細かい鱗がありイシガレイより食味が良く、大分県のブランド魚「城下かれい」は別府湾で獲れるマコガレイのことを言います。
■イシガレイ
イシガレイも同じく沿岸部の砂泥地に生息していますが、マコガレイが砂泥を好むのに対しイシガレイは砂利底にも生息しています。
大きさはマコガレイよりは大きくなり、投げ釣りの対象としては20センチ〜50センチがメインとなります。
体表には鱗はなく、数カ所に石状の硬い部分があります。
■その他のカレイ
その他にも東北や北海道方面に多いマガレイや、1メートル位まで成長するオヒョウなど種類は豊富です。
よく「左ヒラメに右カレイ」と言われます。
これは魚の目玉がある面を表に置いた時に、ヒラメは頭が左側に来て、カレイは右側に来るという事ですが、カレイの中にはヌマガレイのように頭が左側に来るものもあります。
⑵ カレイの釣期
■乗っ込み時期
カレイは冬場に産卵します。
投げ釣りでは産卵を控え、秋が深まると浅場に接岸してくるカレイを狙います。
マコガレイなら10月〜12月末くらいまでが、産卵前の荒食いの時期です。
イシガレイはそれより1ヶ月ほど時期がずれるようです。
■戻りガレイ
カレイは低水温を好むので、海水温が高い夏は深場に移動しています。
産卵後の体力の回復したカレイが、深場に落ちる前に再び浅場でエサを荒食いするのが、戻りガレイです。
桜の開花する頃に良く釣れるので花見ガレイと呼ばれたりもします。
大体2月末〜5月末くらいまでが狙い目です。
カレイ釣りのおすすめタックル
⑴ 投げ竿は振り出しがおすすめ
カレイ釣りは2本〜4本くらいの竿を置き竿で使用します。
並継ぎタイプの投げ竿では持ち運びが大変なので、振り出しタイプが良いでしょう。
オモリも25号〜35号の重たいオモリを使い、どっしりと仕掛けを落ち着かせてアタリを待ちます。
長さは3.9m〜4.2mで腰のしっかりした投げ竿がおすすめです。
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⑵リールは中〜大型の投げ専リール
リールは遠投にも対応できる4000番以上でPEラインが200m以上巻ける中〜大型がおすすめです。
ドラグ機能はカレイ釣りでは必須というわけではありませんが、あれば他の大物釣りにも流用出来るので、候補に入れておきます。
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⑶ カレイ狙いの小物類について
・道糸は号数を揃えよう
3本〜4本を置き竿にするカレイ釣りでは、全てのリールの道糸は同じ号数を揃えましょう。
潮流の速い釣り場では道糸の号数の違いで、仕掛けの流され具合が変わり、自分の竿同士でオマツリする可能性があります。
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■釣り場でオモリは使い分ける
カレイ釣りではどっしりと仕掛けを落ちつけてアタリを待ちます。
潮に流され難い重い目のオモリを使用しましょう。
複数の竿を出す場合は全ての竿のオモリを同じ号数にしましょう。
理由は上記の道糸の号数を合わすのと同様です。
投げ釣りの基本はこれ!ジェット天秤。
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■餌取りを怖れず大バリ仕掛けで
カレイ狙いは大バリに大エサで海中で目立たせるのがポイントです。
水温も低く餌取りの小魚も少ない時期なので、大バリの2本針仕掛けがおすすめです。
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■三脚は必需品です
複数本の竿を出すカレイの投げ釣りでは、竿を並べて立てられる三脚は必需品です。
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カレイの釣り方
⑴ ポイント別の攻め方
■砂浜(サーフ)の攻略法
砂浜のポイント選びとしては、まずは海を見て海面の変化を探します。
潮目(海面が帯状に色が変わって見える所)や、泡などが貯まっている所は潮の流れの変化があるということです。
また、海苔棚や沈みテトラなどの障害物の回りも魚が集まりやすいポイントです。
まずはそういったポイントの近くに陣取り、潮目に仕掛けを投入してみましょう。
竿を3本出すとしたら、1本は潮目のど真ん中。
残り2本は潮目の沖と手前という風に、遠中近と投げ分けてアタリを待ちましょう。
あと、時々リールを巻いて仕掛けを移動させながら、カケ上がりを探すのも有効です。
■防波堤(波止)の攻略法
防波堤の場合も砂浜と同様に海面の変化を見ましょう。
それ以外では防波堤の先端部、途中で折れ曲がっている防波堤ならカーブ付近も好ポイントになります。
それらのポイントから砂浜同様に遠中近に投げ分けたり、カケ上がりを探ったりします。
また、防波堤は波止際の海底に石畳状になった捨て石を敷いている所があります。
産卵前のカレイは捨て石と砂地の切れ目付近に集まる事が多いので、超近投で捨て石の切れ目も忘れずに狙いましょう。
⑵ カレイ釣りの時合い
■時間帯による時合い
カレイだけでなく他の魚もそうですが、朝夕のマズメ時は活発にエサを摂るので、好時合いです。
生きの良いエサを付けて集中して釣りましょう。
■潮による時合い
時間帯に関係なく、潮の干満の前後も狙い目です。
昼間でも、干潮からの上げ始めなどにバタバタと食いが立つこともあります。
■誘いについて
カレイ釣りはキスの引き釣りのように常にエサを動かす必要はありません。
そうは言ってもアタリもないのに投げっぱなしでは魚と遭遇する可能性は低くなります。
時々は誘いをいれて、エサの移動と魚へのアピールをしましょう。
■静と動の誘いを使い分ける
誘いの方法のひとつめはリールをゆっくり巻いて、ズルズルと砂底をオモリと仕掛けを引きづる「静の誘い」。
ふたつめは大きく竿をあおって、一度海底からオモリを浮かせる「動の誘い」です。
どちらが良いかはその日の状況で違いますので、使い分けてその日のヒットパターンの誘い方を探しましょう。
⑶ エサ使いについて
■イワイソメ(マムシや本虫とも言う)
イワイソメは滲み出す体液の匂いでカレイを引き寄せます。
難点は少し高価なところで、朝から夕方まで釣ろうと思えば、4000円〜5000円分は必要です。
4センチ〜5センチにカットして、通し刺しにして使います。
アオイソメとの併用でコストを抑えるのがおすすめです。
■アオイソメ
アオイソメはクネクネとした動きでカレイを誘います。
カットせずに1匹丸ごとを3匹〜4匹房掛けにします。
イワイソメに比べると安価なので、朝から夕方までの釣りなら2000円分程度でよいでしょう。
1匹目は通し刺しにし、釣り針がカーブする手前で針先を出し真っ直ぐになるように刺します。
釣り針のカーブしている部分に2匹〜3匹をチョン掛けにします。
アオマムシといって、イワイソメを通し刺しにして針の結び目の上までたくし上げ、針部分にはアオイソメを房掛けする方法もあります。
匂いと動きのダブル効果でカレイを誘惑します。
■コガネムシ
関西方面で冬場のカレイ釣りに使われるエサです。
イワイソメより柔らかく食い込みが良い。
匂いも強く、イワイソメ同様匂いでカレイを誘います。
価格はイワイソメと同じか、少し安い程度なので、単体ではなくアオイソメとの併用がおすすめです。
■その他
他にはチヌ釣りに使われるボケや、アサリの剥き身などもカレイの好物ですが、投げ釣りの場合は投げる際に千切れる可能性が高くなります。
カレイを美味しく食べよう
■釣ったカレイは締めて血抜きを
釣ったカレイはエラ蓋を持ち上げ、エラの付け根をナイフでカットします。
続けて、背骨に沿って太い血管があるのでそこもカットして血抜きをします。
■お刺身
5枚に下ろした身を皮を引いて食べやすい大きさに切ります。
釣った当日ならコリコリとした食感、切り身をラップで包んで冷蔵庫で一晩寝かせた刺し身はモッチリとした食感とうま味が楽しめます。
■煮付け
エラと内臓を 取ります。
30センチ以上の大型は真ん中で、頭側とシッポ側で真っ二つに切って甘辛く煮付けます。
30センチ未満のものは背中側に切り目を入れて1匹丸ごと煮付けます。
ご飯がすすみます。
■唐揚げ
煮付けと同じく大型のものは2つに切って、中小型のものは1匹丸ごとを背中に切り目を入れて、片栗粉をつけます。
最初は強火、表面がカリッとなってきたら中火にしてキツネ色になれば出来上がりです。
身はホクホク、ヒレもカリカリして美味しいです。
まとめ
カレイの投げ釣りはどちらかというと静の釣りです。
最盛期も冬場なので、防寒対策をしっかりして望んでください。
そうすれば良型のカレイがあなたを熱くしてくれるでしょう!
それでは、Enjoy your fishig life!