
アイキャッチ出典:シマノHP
ショアジギングは体力が勝負です。より軽いリールで体力の消耗を防ぎつつ、飛距離を伸ばしたいです。さらに、魚がかかった時のスムーズなドラグ、パワフルな巻き上げを実現したい。そんな夢を叶えてくれるのが、上位モデルのリールです。
だけど、いざ買うとなると、どれを選べばいいのか困りますよね。簡単なリールのチェックポイントをまとめ、各メーカーの2018年現在のお薦め商品を厳選しました。
目次
上位モデルと格安モデルとの違い
ショアジギングは、リールを絶えず巻き上げなければならないので、体やタックルにかかる負荷がかなり大きく、過酷な釣りです。格安リールだとすぐに壊れてしまいます。どうして格安リールは壊れてしまい、上位モデルだと大丈夫なのでしょうか。この謎に迫ります。
どんなタイプのリールであっても、歯車やベアリングが使用されているので、リール選びは、金属加工技術の評価から始まると考えてください。まず、金属加工の着目点について説明します。
金属加工・食い違い部
ショアジギングでは、現在、スピニングリールが一般的です。このスピニングリールのギアボックスには、たくさんの歯車がありますが、食い違い部分が最も重要な歯車です。
「食い違い部って何?」と思われるかもしれませんね。
シマノだと、マイクロモジュールギアⅡと呼ばれている部分です。ハンドルを巻くと、スプールの回転軸と垂直な回転軸が回りますよね。このハンドルの回転力をスプールの回転軸に伝えているのが、食い違い部(ウォームギア)なのです。
つまり、食い違い部のギアが滑らかに作られていると、ハンドルを巻く手にジグと海水との抵抗や当たりがダイレクトに伝わるのです。このギアに抵抗があると、腕が無駄に疲れる訳です。
格安リールの性能もそれなりに向上しているので、巻いた時の感覚では、食い違い部の精度の違いが感じられないかもしれません。メーカーでは振動計を用いて品質検査をしています。メーカーwebサイトに掲載されている振動計のデータを見るとよくわかります。
ギア比
メーカーのwebサイトには、スペック表が掲載されています。ここのギア比と最大巻上長を見てください。品番の数字の後に付いている記号ですが、シマノだとHGが、ダイワだとHがハイギアということです。
記号の付いていない品番に比べてギア比が大きくなっています。シマノのXGはエキストラハイギア仕様で、HGよりギア比が大きいです。
ギア比が1:5.7の場合、ハンドルを1回回転させると、スプールが5.7回回転します。そして、最大巻上長だけラインを巻き取ることが出来るのです。最大と付いているのは、スプールに糸が巻かれているほど、スプール1回転での巻き取りの長さが長くなるということです。
オフショアのバーティカルジギングだと、最大巻上長が1メートル以上でないと疲れてしまうので、私は1メートル以上の物を使用していますが、このようなリールは大型なので、キャステイングで疲れてしまいます。
ショアジギングでは、最大巻上長70~80cmくらいが妥当でしょう。
ドラグ力
ドラグ力9kgのリールは、ドラグを最大限に閉めても9kg以上の力で糸を引くとスプールが回るということです。また、0~9kgの範囲でドラグ力をコントロールできるということです。ショアジギングでの使用なら10kg前後なら問題ないでしょう。
ベアリング数
ベアリングは、回転がスムーズになるように、回転部と固定部の間に入れられるものです。構造にもよりますが、同メーカーのリールの場合、ベアリング数が多いとよりスムーズに回転すると考えてください。
リールの壊れ方
上位機種は、格安モデルと比較して壊れにくく作られています。ここでは、よくあるスピニングリールの壊れ方を説明します。
ゴリ音
上位モデルは、他の歯車も丈夫に作られています。シマノはHAGANEギア、ダイワはタフデジギヤと称しています。
大型魚の魚が掛かった時、ドラグがグリグリっと出てくれればいいのですが、格安リールだと、ギアが欠けてしまうことがあります。ギアが欠けてしまうと、「ゴリッ」や「キーッ」と回転時に異音が発生し、巻き上げ時に無駄な力が必要になってきます。
無駄な力を使うだけなら幸運で、魚がヒットした瞬間、リールが回転不能になる場合もあります。そうなってしまっては折角ヒットした魚もキャッチできなくなってしまいますよね・・・。
経年劣化
格安リールは、経年劣化が早く進行します。
ギアボックス内やベール回転部分に海水が入り、塩が析出し、巻きにくくなったりベールの動きが鈍くなったりします。これに対し、上位モデルは、隙間がなく作られていて、潤滑油により海水の侵入を防いでいます。
また、ハンドルやリールフットも丈夫に作られていて、滅多に割れたりしません。
シマノのスピニングリールの特徴
シマノと言えば、ステラです。マイクロモジュールギアⅡなどのシマノが持つ技術を詰め込んだ傑作です。これ以上の性能はないと言った感じです。
ステラのような高級品はちょっとと言う人は、ツインパワーXDがお薦めです。ステラの約半額です。
ツインパワー以下のミドルモデルには、エギング用のセフィア、軽量化のヴァンキッシュ、コスパのアルテグラなど色々な開発コンセプトがあります。
ここでは剛性・パワーを重視したサステインをお薦めします。
サステインは、ボディーはストラディック、ボックス内部はツインパワーという構造なので、傷をつけないように使用すれば、ツインパワーと互角の威力を発揮します。
ちなみに、同じ開発コンセプトでサステインの下位モデルには、ストラディックがあります。コストパフォーマンスが良いリールです。
ダイワのスピニングリールの特徴
ダイワの最高峰といえば、イグジストです。タフデジギヤ搭載でシマノのステラに対抗しています。
イグジストの特徴は以下の通りです。イグジストとステラ、どちらが優れているのでしょうか。釣具では話題になっているリールです。
ツインパワーに対抗するリールといえば、セルテートでしょう。
シマノのミドルモデルはサステインをお薦めしたので、これに対抗するリールとしてダイワではカルディアをお薦めします。シマノ対ダイワを熱く語りたい人はこれでしょう。
アブガルシア(AbuGarcia)の特徴
出典:アブガルシアHP
次に、シマノ・ダイワの2強と言われるリール・メーカーですが、3番手はどこでしょうか。20年前は、リョービでしたが、現在、3番手としてアブガルシアが注目されています。
アブガルシアは、スウェーデンの釣り具メーカーです。通称アブの製品は、20年前までオリンピック釣具(後にマミヤOPに社名変更)が輸入・販売していました。
マミヤOPが釣り事業から撤退後は子会社による販売が続けられています。
昔から根強いアブ・ファンがいて、年代物のリールはオークションなどで取引されています。海釣りでは、小型手巻き同軸リールのアンバサダーが有名です。デザイン抜群、ハンドリング良好、ツウ御用達のメーカーでした。今後、2強にどこまで対抗できるのか、楽しみです。
このアブから発売されているレボ・ロケット3000MSは、ギア比7:1、自重234g、ベアリング数11と実に良い数字を出しています。ちょっと気になる製品なので、持ち替え用やスペア・リールとして使ってみるのもアリと考え紹介します。
ベイトリールの利点と欠点
最近、ライト・ショアジギングでベイトリールを使用している人を見かけます。軽いルアーを投げる淡水でお馴染みのベイトリールは、バックラッシュさえ気を付ければ、アクションが付けやすいので、メバルやシーバスなどのソルトでも威力を発揮します。
ベイトリールの最大の売りは、スピニングリールに比べてスプールからの糸の出がよいので飛距離を稼げる、スピニングより巻き上げ強度が強い点などがあります。
ちなみに、オフショアではベイトリールと同じ同軸リールとして、シマノのオシアジガーなどが使用されています。
ベイトリールを船小物や筏かかり釣りなどで使えないか、よくチェックしているので、このスペックならライトなショアジギングでも使えるかも…という物を推薦します。自重400g、最大巻取長95cm、最大ドラグ力10kg。淡水からの転向ならこれですね。
まとめ
ショアジギングのリールに必要なスペックをまとめます。
・しっかりとしたギア構造
・ギアボックスへの海水の侵入を防ぐシールドや潤滑油、表面撥水加工
・自重200~300g
・PEライン2号を200m以上巻ける
・やや大きめのスプール
・最大巻取長80~100cm
・最大ドラグ力 約10kg
これだけのスペックを揃えると、大型青物と遭遇しても安心です。
シマノ・ダイワ・アブガルシアのリールを検討しているのなら、これらの点に注目して選ぶようにしてくださいね!